季語道楽

季語道楽(37)柴田宵曲『古句を観る』  坂崎重盛

柴田宵曲『古句を観る』の「後編」ーー『古句を観る』の内容の“こく”   このエッセー自体が遊歩人(©文源庫)たるぼくの文章は路地、横町への寄り道が大好きなのだが、好もしい人、柴田宵曲に戻ろう。 俳句界の大巨人と...

季語道楽(36)穏やかにして厳格な巨人  坂崎重盛

柴田宵曲『古句を観る』を観る︱︱とその前に急拠増刷の山本健吉の『こ とばの歳時記』を   高浜虚子の「ホトトギス」のもとにあって、メジャー、大御所の虚子とは、正反対ともいえる学究的句人、柴田宵曲。宵の曲とはなに...

季語道楽(35)春夏秋冬、名句60句をめぐる   坂崎重盛

字多喜代子著『名句十二か月』(角川学芸出版刊) この著者の俳書はすでに一冊、この連載で紹介している。同じく角川選書に収められている好著『古季語と遊ぶ』である。この本では、珍しい季語と例句、そして遊戯的センスに富んだ実作の...

季語道楽(34)季語が学べる懇切な実作講座 坂崎重盛

角川書店発行の月刊句誌『俳句』で三年間にわたる連載をまとめた今瀬剛一による『季語実作セミナー』(角川書店刊) まず、この本の袖に載っている著者略歴を見て、ちょっと驚いた。昭和十一年茨城県生まれ。そのあと、昭和四十六年「沖...

季語道楽(33)下町生まれの歳時記的俳句エッセイ 坂崎重盛

前回、本のタイトルに「歳時記」という言葉は入っていないものの、四季折々の自然や生活、あるいは行事についてふれられ、かつ、例句があげられている俳句関連の本、つまり実質は俳句歳時記の一例として萩谷朴の『風物ことば十二カ月』を...

季語道楽(32)「歳時記」という文字はないものの 坂崎重盛

前回、タイトルには「歳時記」という言葉は入っているものの、まったく(か、ほとんど)俳句そのものとは関係のない“歳事記本”のことについてふれた。「歳時記」とあると、つい手を出してしまう、ぼくの歳時記フェチを告白しつつ。 し...

季語道楽(31)『歳事記』というと、…坂崎重盛

   『歳事記』というと、つい手が出てしまうが   サイジキ︱︱といえば、俳句の世界に親しい人ならば、当然のこと、春・夏・秋・冬そして新年の季語に、解説や例句が添えられ編集、構成された「俳句歳時記」を...

季語道楽(30)季語はどのように生まれたのか  坂崎重盛

“地貌“論を提唱する宮坂静生の『季語の誕生』に戻りたい。 くりかえしになるが、宮坂は“地貌”とは、「風土の上に展開される季節の推移に基づく生活や文化までを包含することば」とし、“地貌”と、季語の重ね合わせを説く。 まさに...