新・気まぐれ読書日記
新・気まぐれ読書日記 (6) 石山文也 旅 最終号
きっかけは新聞で見つけた小さな記事だった。雑誌『旅』の休刊発表である。長年の習慣で新聞は必ず読むが、目を凝らして隅々までというわけでもないのになぜだか目についた。それもあってさっそく<毎日のあたまの体操>代わりに書いてい...
新・気まぐれ読書日記 (5) 石山文也 エメラルド王
今回もノンフィクションから選んだ1冊を紹介する。南米・コロンビアの日本人宝石商の一代記『エメラルド王』(新潮社)である。「その国ってどこにあるの?」と言われる方もありそうなので最初に説明しておく。コロンビア共和国は南米大...
新・気まぐれ読書日記 (4) 石山文也 パタゴニア・老いぼれグリンゴ
承前、単なる思いつきであるが一度こう書き出したかった。前回に続き河出書房新社の創業120周年記念出版『世界文学全集』。何せ30巻もあるから先が長い、というのは冗談冗談、上段に構えて退屈されても困るし日も暮れる。 それはさ...
新・気まぐれ読書日記 (3) 石山文也 オン・ザ・ロード
池澤夏樹個人編集の『世界文学全集』30巻が完結した。河出書房新社の創業120周年を記念して発刊されてから3年半、全集は毎日出版文化賞を、池澤氏も朝日賞を受賞した。20世紀に生まれ21世紀を生きる同時代の作家が切り取り見せ...
新・気まぐれ読書日記 (2) 石山文也 装丁問答
あの丸谷才一さんの句に「枕もとに本積めばこれ宝船」というのがある。枕もとに読んだ本をついつい積みっぱなしにしてしまう癖のある私、ある晩<宝船が座礁する夢>を見て、というか本が崩れて頭に当たった拍子に夢から覚めた。これはい...
新・気まぐれ読書日記 (1) 石山文也 空白の五マイル
なぜ「新」が付いているのかと訝られるかもしれないので説明しておくとこれまでミニコミ誌でちょうど65回続けてきた『気まぐれ読書日記』を、そろそろ打ち止めにしようと思っていたところ「続けて書かないか」とお誘いを受けその気にな...