書斎の漂着本

書斎の漂着本  (28) 蚤野久蔵 俳人読本

昭和7年(1932)6月に東京日本橋の春秋社から出版された『俳人読本』(下巻)の初版で、もとは箱があったことが、箱張装幀―蕪村真蹟―として「うぐいすの啼や師走の羅生門」など5句が紹介されていることからわかる。ちょっと惜し...

書斎の漂着本  (27) 蚤野久蔵 奄美の島々

奄美群島は昭和28年(1953)12月にようやく本土復帰を果たした。その当時の様子をよく伝える写真集『奄美の島々』は31年(1956)年4月に毎日新聞社から出版された。黒潮に沿った島々での民俗に関心があったので表紙で紹介...

書斎の漂着本  (26) 蚤野久蔵 日本昆蟲図鑑②

前回の『日本昆蟲圖鑑』の続きである。この2.5キロもある図鑑を持って休日に勇躍、手塚治虫ゆかりの宝塚まで出かけたところまで紹介した。 *      *    * 手塚治虫記念館は手塚が5歳から24歳までの約20年間を過ご...

書斎の漂着本  (25) 蚤野久蔵 日本昆蟲図鑑①

太平洋戦争開戦直前の昭和16年(1941)5月17日に北隆館から再版された『日本昆蟲圖鑑』である。厚紙製の外箱は痛んだようで、杉板で手作りした木箱に背の部分だけを切り取って貼ってある。右の背表紙にも縦に亀裂が入っているが...

書斎の漂着本  (24) 蚤野久蔵 たつまき上

竜巻の世界的権威で「ドクター・トルネード=竜巻博士」と呼ばれた気象学者・藤田哲也の『たつまき上』である。昭和48年(1973)に東京・共立出版から「科学ブックス20」として出版された。手に入れたのは十数年前になるだろうか...

書斎の漂着本  (23) 蚤野久蔵 濃尾地震と根尾谷断層

この写真集『濃尾地震と根尾谷断層』は昭和53年1978)2月に岐阜市の教育出版文化協会から出版された。 日本の陸域を震源とする地震としては観測史上最大とされる濃尾地震は、明治24年(1975)10月28日に起きた。発生時...

書斎の漂着本  (22) 蚤野久蔵 食い放題

昭和50年(1975)5月に日本経済新聞社から緊急出版された歌舞伎の人間国宝・坂東三津五郎(8世)の随筆『食い放題』である。この年、1月、京都・南座の初春興行『お吟さま』に出演中にひいき筋と食事に行った料理店で出された好...

書斎の漂着本  (21) 蚤野久蔵 受験國文要語集

昭和10年(1935)に三省堂から発行された『受験國文要語集』(俚諺格言篇)である。いまや難読語となった俚諺(りげん)は「ことわざ」のことだが、幅15cm、高さ8cmのポケット判(A7変型判)で、40ページの小冊子ながら...