書斎の漂着本

書斎の漂着本  (20) 蚤野久蔵 求人広告半世紀

1991年(平成3年)にリクルートから出版された『求人広告半世紀』は400ページ、電話帳ほどの大きさで厚さは4cm近い。最近は電話帳のないお宅も多いから、と測ったら縦28cm×横21cmでちょうど新聞「四つ折り大」だった...

書斎の漂着本  (19) 蚤野久蔵 ブラック・チェンバ

ブラック・チェンバというのはアメリカ国務省にあった「機密室」(MI-8)のことである。この組織を創設し、暗号の専門家として16年間在籍した著者が書いた<内幕もの>で、昭和6年(1931)8月に「米国はいかにして外交秘電を...

書斎の漂着本  (18) 蚤野久蔵 タコ壺あれこれ

この『タコ壺あれこれ』は<日本一のタコ壺コレクター>の自費出版本である。「そんなジャンルがあるのか」などといぶかるなかれ、古式タコ壺といわれる素焼きのものは壊れやすい消耗品で、近年はプラスチックやコンクリート素材のものも...

書斎の漂着本  (17) 蚤野久蔵 砂金掘り飯場

明治33年(1900)9月、北海道北見枝幸(えさし)のウソタンナイ川上流で握りこぶし大の砂金塊が見つかった。これをきっかけに北海道のゴールドラッシュが始まる。噂を聞きつけて一獲千金を狙う数千人が押し寄せ、鉱山集落ができた...

書斎の漂着本  (16) 蚤野久蔵 北支方面戦闘経過要圖

わが書斎に漂着してきた本や資料のなかでは、間違いなく<いちばん大きい>のがこの地図である。『北支方面戦闘経過要圖』といい、広げればほぼ2.5畳分になる。写真に撮るのも一苦労で、下のほう、黄河の南方にある河南や鄭州、開封や...

書斎の漂着本  (15) 蚤野久蔵 作文良材遊紀文

明治40年(1907)に大阪で発行された『作文良材遊紀文』という<教材本>のひとつだ。縦13cm、横7.5cmで、手のひらにすっぽり入る大きさだから掌本、豆本の部類といえる。発行者は大阪市南区唐物町四丁目の立川熊次郎で、...

書斎の漂着本  (14) 蚤野久蔵 生命の河

長崎に投下された原子爆弾で最愛の妻を失い、自らも爆風で頭に大けがを負いながらも被爆者の治療に当たった永井隆博士が、昭和23年(1948)11月に東京・日比谷出版社から出した診察・治療記録の『生命の河』である。 (左が表紙...

書斎の漂着本  (13) 蚤野久蔵 國初聖蹟歌

昭和16年(1941)の「皇紀二千六百年」を記念して京都市左京区泉川町の甲鳥書林から出版された川田順の『國初聖蹟歌』である。 昭和11年に住友総本社の常務理事までのぼり詰めながら歌人へ転身して話題を集めた川田は、東京・城...