私の手塚治虫
私の手塚治虫(5) 峯島正行
二人の友から得たもの 頼りになる男 秋竜山と話をしていたときに、たまたま馬場のぼるに話が及んだ。秋曰く 「馬場さんが、木を一本描いて、その上を鴉が飛んでゆく、夕暮れらしい雲と山の稜線を描くと、俺たちが幼いころ...
私の手塚治虫(4) 峯島正行
手塚、馬場、小島の個性 手塚の市民社会性 漫画集団の仲間の中で、手塚が特に親しくし、交流も深かったのは、馬場のぼると小島功であった。とくに馬場とは刎頸の交わりと言っても過言ではない深い交友関係にあった。手塚は、よく馬場の...
私の手塚治虫(3) 峯島正行
漫画集団に加入 ロンドンのホテルにて M・A・N・G・A・旅行団にまた話は戻るが、いよいよ出発の準備も整い、パスポートを受け取るために我々は、有楽町の交通会館にある、渡航事務所に集まった。役人が、カウンター越しに、一人ひ...
私の手塚治虫(2) 峯島正行
生涯ベレー帽 二人の天才 前号で紹介したM・A・N・G・A旅行団の中で、ベレー帽を被っていった者が三人いる。その一人は、横山隆一で、もう一人は手塚治虫、後の一人が私であった。私がベレーをかぶって行ったことにはちょっ...
私の手塚治虫(1) 峯島正行
一、M・A・N・G・A旅行団の世界一周 飲みながらできた旅行案 十二月の初旬、まだ寒さが皮膚を刺すほどではない。銀座裏の通りは、むしろ空気が浮き立つような熱気さえある。高度成長のただ中にあって、懐も膨らんでいる男たちは陽...