季語道楽

季語道楽(21)   坂崎重盛

ゼツメツキゴシュウ(絶滅季語集)を楽しむ 夏井いつき先生の『絶滅寸前季語辞典』の本文をさらに覗いてみよう。「歌詠鳥(うたよみどり)」が「鶯」の副題(別の呼び名)であったり、「貝寄風(かいよせ)」が陰暦二月二十日前後に吹く...

季語道楽(20)ゼツメツキゴシュウ(絶滅季語集)を愉しむその

夏井いつき先生の『絶滅寸前(傍点)季語辞典』を都心の大型書店の俳句コーナーで見かけたとき、なにかと、めんどうくさがり屋のぼくが、つい手を棚に伸ばし、この本を手にしたのは、いま思えば理由があったようだ。 ひとつは、この本が...

坂崎重盛の季語道楽(18)悄々たり、カマキリとミノムシの秋の暮れ

なにか、この「季語道楽」では、毎回書いているような気がしてきたのですが、なんなんですか? この気象。先月のいまごろは、三十一度を超える日があったというのに、今朝なんかは十度を下回った。少し前まで、アロハでふうふう、夏バテ...

季語道楽(17)駄文を書いている場合ではなかった秋の夜ぞらに… 坂崎重盛

今回の、竜巻き共連れ台風、すごかったですね。ひとつの台風に、これだけ各地で竜巻きが起きたのは、やはり観測始まって以来とか。 豪雨と竜巻き──竜巻き被害の光景はちょっと慣れっ子になってしまったけど(当事者の方々にとっては、...

季語道楽(16)ラテンを聴きながら、心は柳橋か神田明神か 坂崎重盛

いつの間にか梅雨が明けて、七月に入ってからの連続の猛暑日は、気象台の観測はじまって以来、だそうですが、どうもこのごろ「統計をとりはじめて以来」ということが多くありません? 異常気象が、こうも続くと“異常”が通常になってし...

季語道楽(14)いつのまにか「行く春」の、この不確かな感覚 坂崎重盛

やはり、桜が一つの境ですね。 桜が咲く前と、散った後とで、季節感がまったく違う。今はもう、八重桜も散ってしまった。 桜が咲く前のことが、ほとんど思い出せない。こうして原稿を書いていて、無理に記憶のページを捲ってみる。 早...

季語道楽⒀ 新年   坂崎重盛

早いもので、このWEBでの連載「季語道楽」、スタートしてから、ちょうど一年たちました。四季をひと巡りしたわけです。 と、いうわけで今回は、二年目の「新年」。 この年明け、世界は、いや、私自身、前途多難を覚悟しなければなら...

季語道楽⑿ 厳しい冬を迎える前の心にしみる華やぎ 坂崎重盛

昨日、今日、テレビでは紅葉の話題が報じられている。 関東では、なんといっても日光。まさに錦繍、にしきの織物だ。京都では嵐山・渡月橋あたり。かつての東京では、品川・海晏寺、滝野川、あるいは芝・紅葉山。 ぼく自身の体験では、...