新・気まぐれ読書日記
新・気まぐれ読書日記 (14) 石山文也 書庫を建てる
『書庫を建てる』(松原隆一郎・堀部安嗣、新潮社)は、「1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト」という副題が付いている。新聞広告を見つけたときに副題から「狭小住宅なのにどうやって1万冊もの本を収納するのだろう」と勘違いして...
新・気まぐれ読書日記 (13) 石山文也 海うそ
たまに、自分にとって本を買うための<情報>って何だろうと考えることがある。くだいていうと、ある本が出版される、あるいは出版されたという出版情報もそのひとつである。新聞広告や購読しているのや書店で<ついで>に貰ってくる読書...
新・気まぐれ読書日記 (12) 石山文也 辞書になった男
読んでいる途中で、これはぜひ読書日記で紹介しようと思った。4分の1ほどのところだった。しばらくしてまたそう思った。まだ3分の1が残っていたから、並行して書き始めるとその先に「どんでん返し」もありそうなので思いとどまった。...
新・気まぐれ読書日記 (11) 石山文也 ヴェルヌの八十日間世界一周に挑む
フランスのSF作家ジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』を読んだのはいつだったろう。多分、ではあるが小学校の図書館にあったこども向けの海外文庫あたりだったか。中学生のころはコナンドイルのシャーロックホームズシリーズには...
新・気まぐれ読書日記 (10) 石山文也 国史大辞典を予約した人々
『国史大辞典を予約した人々』(佐滝剛弘、勁草書房)は新聞の読書欄で見つけ、珍しく「すぐに読んでみたい」と思った一冊だ。早速、行きつけの大型書店に出かけて<話題本コーナー>に直行した。本店の担当者から新聞各紙に取り上げられ...
新・気まぐれ読書日記 (9) 石山文也 漂えど沈まず
ことし上半期の芥川賞(第149回)を受賞した藤野可織の受賞インタビューをニュースで見ていて「そういえば巨匠・開高健はどういう受け答えをしたのだろう」と興味がわいたのでYou-Tubeを検索してみた。ちょうど『開高健名言辞...
新・気まぐれ読書日記 (8) 石山文也 粋人粋筆探訪
久しぶりの紹介本は<ヒネクレ戯文体>を自称する随筆家・坂崎重盛の『粋人粋筆探訪』(芸術新聞社)を選んだ。同じ出版社から2年前に出された『名著再会「絵のある」岩波文庫への招待』が的外れ覚悟で分類すると<硬派>なら、こちらは...
新・気まぐれ読書日記 (7) 石山文也 その日東京駅五時二十五分発
終戦当日、ぼくは故郷広島に向かった。この国が負けたことなんて、とっくに知っていた――という帯にひかれて『その日東京駅五時二十五分発』(西川美和・新潮社)を手に取った。同じ<故郷広島>としてはちょっと気になったからである。...