書斎の漂着本

書斎の漂着本  (4)  蚤野久蔵 コン・ティキ号探検記

「好きな探検記のベスト5」を挙げるとすれば必ず入れたいのが『コン・ティキ号探検記』であろう。ノルウェ―の人類学・海洋学者のトール・ヘイエルダールが南米大陸と南太平洋のポリネシアとの人類移動を証明するために1947年に行っ...

書斎の漂着本  (3)  蚤野久蔵 食用蛙飼養法

「農家唯一の副業」をうたった『食用蛙飼養法』という宣伝パンフレットである。広げると縦20センチ、横幅52センチだが封筒に入れて郵送するために細長く折り畳んである。発行は徳島県小松島町の徳島県水産試験場嘱託 金磯食用蛙養殖...

書斎の漂着本  (2)  蚤野久蔵 登山

大正14年(1925)に東京市京橋区の目黒書店から発行された『登山』という“一風変わった”ガイド本である。その理由はあとで説明するとして、タイトルだけを金文字で刻印した左の写真は、臙脂=濃いあずき色の裸本で味気ないから著...

書斎の漂着本  (1)  蚤野久蔵 漂着物の博物誌

周囲を海に囲まれた日本列島には多くの漂着物が打ち寄せられる。なかでも黒潮はあの島崎藤村作詞の「椰子の実」の連想を生んだココヤシなどを運んでくることで知られている。 わがささやかな書斎と奥の3畳ほどの書庫には数十年前からの...